PAさんの長い1日・前編
こんにちは。PA以外の会社員やったことないイチローです。世間知らずです。
今日はそんな世間知らずちゃんなイチローが、せめてもの気持ちでPAの1日を綴ってみようと思います。
自分がさ、PAになりたいなぁ…ってぼんやりと思いはじめた10代のころ。こういう情報って一切なかったんだよね。
“いんたぁねっと”自体がまだここまで普及していなかったってこともあるけれど、そもそもが閉鎖的な業界なの。
なんか、こう。もしPAを目指している若い子とかがさ、見てくれているなら。そんな人のためになるように、雰囲気だけでも伝わればいいなぁ、って思いながらいつも書いている。
これからも、たぶん、ずっと、そんな感じ。飽きたらやめる。わはは。
でさ。PAって言ってもたくさんの種類のPAさんがいますので、今日はいわゆる「現地音響」ってやつの話を。
PAさんの種類に関しては後日、別記事にまとめてみようと思います。うーん。そっちが先の方がよかったかな…まぁいいか。
PAエンジニアとは、電気音響設備を用いて公衆伝達(PA:Public Address)を行う技術者である。音響機材の操作のみならず、システム設計、施工、メンテナンスに至るまでの幅広い技術的知識と技能及び演目に関する深い知識が要求される。日本においては録音スタジオが都市部に集中しているのに比較してPAエンジニアを必要とする現場が全国に散らばっており、PAエンジニアは国内全般で活動している。
Wikipediaより
PAの1日・現場入り〜打ち合わせ
PAエンジニアの朝は早い…
社会人として絶対に遅刻はしないようにしましょうね
わりと昼まで寝てることも多いじゃない!
うん、まぁ…正直、日によって全然ちがうね
予算が取れてる現場は【仕込み日】ってのがあって…
午後入りとか、夕方入りってこともあるね
【仕込み日】ってつまりは本番がない準備だけの日ってこと?
そうそう【仕込み日】【リハ日】【本番日】とか言ったりするね
まぁ現場によって入り時間が決まってない!ってことです
なんだか人に説明しづらい仕事だねぇ…
- 入り時間はその日の仕事によって違うよ・早いと5時入り・遅いと25時入りとかあるよ・やばいよ
- 場所もすることも毎日違うよ・ホール・アリーナ・ホテル・スタジアム・山奥・海岸・やばいよ
- 仕事が終わる時間も毎回よくわかってないよ・ナチュラルにやばいよ
- 定時ってなに?電車が動いている時間に終われば御の字だよ・単純にやばいよ
これはなに?
これがいわゆる音響の仕込み図
現場のチーフが作って持ってくる図面のこと
これはインプット(マイク関連)の方だね
へー…音響さんってこんなものも作ってるのか
そうなの、オペレーターはミキサーを触ってるだけじゃないんだよ
本来はこれにバンド名とか、PAの個人情報が記載されているよ
このへんの仕事をテレワーク化してやっていたのね…
電話の打ち合わせとか…仕込み図書いたりとか…データ作りとか…
コロナ禍でPAの働き方も変わったね、家でやれることは意外と多い
ちなみにこっちがアウトプット(スピーカー関連)の仕込み図だね
わざわざ図面を書いていかなきゃいけない理由ってなんなの?
現地のスタッフさんたちとの打ち合わせで使うよね
どんな機材をどんな風に使うのか…
規模が大きい現場ほど、仕込み図は重要な役割を持つよ
細かい打ち合わせをする前に必要になるのかぁ…
仕込み図がない状態で乗り込んできた音響は素人判定して間違いないね
まともなPAさんなら必ず持ってくるものだよ
仕込み図がないと大きなホールなんかでは普通に出禁にされちゃう
業界での決まりごとってあるよね〜
- 現場に入ったら必ず仕込み図が配られます・その流れで楽屋などで打ち合わせスタート
- 仕込み図を持ってこないPAはやばい人認定してオーケーです
- 仕込み図が読めない現地PAもやばい人認定されます、注意
- とはいえ知らない機材などがあったらこの時点でチーフPAに確認しましょう・仕事に差し支えます
- 打ち合わせの段階でその日のざっくりとしたスケジュールがわかります
- まれにこの段階でもスケジュールがわからないことがあります・やばい現場認定してオーケーです
現地音響は現場に入ってまず、仕込み図が配られることになります。
その仕込み図をもとに、その日の音響スタッフ全員で打ち合わせになります。
マイクを仕込む人・アンプを用意する人・スピーカーを積む人・ミキサーを組む人…ひとくちにPAの仕事って言っても、その作業は多岐に渡ります。多岐に渡哲也です。
そのへんのすり合わせをするわけですね。その流れでそれぞれのスタッフの本番のポジションが決まることも多いです。
打ち合わせが終わると、早速仕込み作業に入ります。時間に余裕のある現場は少ない。急げ急げ!
PAの1日・仕込み〜リハーサル
はい、打ち合わせが終わったら一生懸命がんばります
なにそれ、もっと有意義なこと教えてよ
ここからはどうしても専門的な話になってしまうので
今回の趣旨から外れちゃう気がしてるんだよね…
うーん、せめて何をがんばるのか教えて
そうだな…みんなが嫌がることを率先してやるのがいいと思うよ
例えば…重いものを積極的に持つとか、まぁそんな感じ
ざっくりだなぁ…でもなんかわかる気がする
- 打ち合わせで話した順番で仕事をしましょう・スタンドプレーは嫌われます
- 丁寧に仕込みましょう・焦ると危険な作業が多いです・心とケーブルの長さに余裕を持ちましょう
- 不明点は相談しましょう・人の現場での自己判断は厳禁です・各社それぞれのルールがあります
- 率先して仕事しましょう・重いものは誰も持ちたくありません・マルチケーブルから逃げるな
こんな感じの地味な作業が続きます
PAってなんだか大変な仕事なのね…
一般の人の目に触れるのなんて一瞬だからね〜
でも、仲のいいPA仲間と一緒にイベントを作るのは本当に楽しいよ
うん、そうよね
あなたあんまり仕事って思って仕事してないもんね
えへへ…照
変な人が多いけど、みんないいやつばっかりだよ〜
(変人しか続かない仕事なのかも…)
って感じで仕込みが終わるとリハーサルが始まります
リハーサル!なんかプロっぽい!
リハーサルのない現場もありますが
基本的にプロの公演だと必ずリハはあります
リハーサルって主になにをしているの?
出音の確認だね、正面の音と、中の音をアーティストが実際に聴くの
それと本番の進行の流れをその日のスタッフ全員で確認するよ
中の音…??
いわゆる【モニター】って呼ばれてるものだね
演者さんの足元ってスピーカーが置いてあるでしょ?
あれから出てる音を調整して確認してもらうのよ
PAが舞台袖にもいるのってそういうことだったのね!
そうそう、正面のPAが全体の出音を調整して
舞台袖のPAが演者のモニターを管理しているんだよ
なるほどね〜…どっちがえらいの??
どっちがえらいとかないけど!!笑
…ギャラは正面のPAの方が高いかな…
ふーん…あなたモニターPAの方が多いもんね?
………………
- リハーサルは音の確認の他に、その日の公演全体の流れを確認しているよ
- とくにアーティストはモニター環境の調整・確認に時間を使うよ
- その日のセットリストもリハーサルで最終決定するよ
- モニターPAより、フロントのPAの方がギャラが高いよ
その日に公演がある場合、仕込み時間、リハーサル時間っていうものは厳密な管理が必要になります。
どれだけ準備に時間がかかっちゃっても、お客さんはチケットに書いてある時間に来ちゃうからね。
その辺のスケジュール管理をしているのが、いわゆる【舞台監督】って人。
どの程度の時間、PAチームは準備に時間を使えるのか、朝の打ち合わせの段階で逆算しておかなければいけません。
自分たちの準備に手間取った分、他のセクションにしわ寄せが行きます。
照明さんの調整の時間が少なくなります。
道具さんの機嫌が悪くなるかもしれません。
映像さんの準備時間がなくなってしまいます。
特殊効果の確認ができなくなって、最悪演出に支障が出るかもしれません。
こんな感じで、イベントっていうのはチームで成り立っているものなのです。
チームワーク、めっちゃ大切やで、ほんましかし。
PAの1日・前編まとめ
なんだか、サクッと書いてみるつもりだったのに、やたら長文になってきてしまった…
自分のやってることなんて単純なことなんだと思っていたけれど、こうやってちゃんと説明しようとするとなんだかとても難しい。
あのね、この記事はね。PAになりたいって言ってる学生が目の前にいるテイで書いてるから。いるテイで書きなぐってるから。むしろほぼ喋ってるから。
とはいえね。喋り言葉でもこれ以上まとまった文章は、今日はもう書けそうもない。
後編は持ち越そうと思います。つかれた!勝手に喋ってたくせに。勝手勝手。
まぁね。PAやらそのへんの業界に興味のある方は、なんつーか、過度な期待はしないで見てやってくださいね。
ってことで今日も最後まで付き合ってもらってありがとうございました!読んでもらってとても嬉しいです!
また次回。【PAの1日・本番〜撤収編】でお会いしましょう。
ってことで次回に続きます〜
よかったら続きも読んでやってくださいね
またきてね〜!
この記事の感想は個人の独断と偏見によるものです