ダイレクトボックスに違いはあるのか?・カントリーマン TYPE85について考察
こんにちは。なんちゃってPAのイチローです。誰がなんちゃってPAやねん。10年選手やぞ。
はい。今日の機材は定番ダイレクトボックスの【Countryman TYPE85】の紹介です。
あの〜あれですね。カントリーマンの黒い方のDIですね。業界の人は「ハチゴー」とか呼んだりします。
ダイレクトボックスって機材ね。割と鬼門なイメージ。現場でNG出る確率けっこう高い。
特にこのTYPE85がやっかいでさ。古い機種だと昔ながらの3番ホットになってたりすっからね。現行品と合わせると逆相になるのよ。
しかも外見じゃ見分けがつかねー。まさにブラックボックス。なんなん、カントリーのマンが俺に嫌がらせ?
まぁグダグダ言っていても仕方ないんだけどさ。フォンの入力の接触がちょっと甘い。特にグランド側。穴の口径ちょっと大きくない?
「電池入ってるんでファンタムいらないでーす」とか言っといて本番で電池切れたりするんだよね。もう電池駆動やめない?
やばやば。文句ばっかりになってきた。別にTYPE85の悪口が言いたいわけじゃないんだ。音はわりと好きなんだ。
【Countryman TYPE85】のイチローの印象はこんな感じだよ
- シンプル設計で誰でも使える優しいDI
- 象が踏んでも壊れない黒い箱
- 電気的な不具合が多いのは雑に扱われてるからだと思う
- DIの世界的なスタンダードモデル
- 安価なのにフラットな音質で人気
電気的な故障の多い機材のなの?
DIって現地機材だと基本的にTYPE85が用意されているから…
使う頻度が他のDIに比べて極端に高いせいもあると思うんだよね
打席数の多い9番バッターみたいなものね…
そうなの。このTYPE85ってダイレクトボックスが悪い機材なわけじゃない。
すごく質実剛健な作りになっていて回路図もシンプル。ハンダの盛りだっていい感じ。
でもね。ダイレクトボックスといえばコレなので、とにかく現場に用意されている確率が異常に高い。使う頻度が高ければそりゃNG機材に当たる確率も増えるよね。
それに見た目が鉄でできた黒い箱なので、めっちゃ雑に扱われがち。投げられがち。踏まれがち。雨ざらしになりがち。不憫すぎる。TYPE85。
そんなTYPE85の本来の姿にイチローが目を凝らす。今日は【Countryman TYPE85】のお話。
カントリーマン TYPE85のスペックについて
コシのある低域とロスの少ない高域、立体感のある図太いトーン。絶対に手放せなくなる、超オススメのアクティブ・ダイレクトボックス(DI)です。レコーディング、ライブなど、あらゆる現場で活躍する世界的ベストセラー!
サウンドハウスより
スペック的にTYPE85はこんな感じのダイレクトボックス
- 周波数特性は20Hz〜20KHzを広くフラットにカバーしている
- アルカリの9V電池で400時間も駆動することができる(ことになってる)
- シングルエンドのクラスAの高品質パーツのみを使用して作られている
- アクティブDI(電気が必要な回路)なのでレベル減衰の恐れが少ない
すごいじゃん!TYPE85!
スペックシートは基本的にいいことしか書いてないから…
でも世界中で使われているDIだけあって音質には定評があるよ
そもそもさ…DIってなんのために使うの?
そっか…そうだよね
知らない人にとってはただの鉄の塊だよね…
DI=ダイレクトボックスの用途は簡単に言うと楽器の音をPAさんのミキサーに入力するための機材。
目視的に言えばフォンケーブル入力が3ピン出力のマイクケーブルに変換されている。これがいわゆるアンバラ伝送→バランス伝送って意味。
小難しい言葉で語ってくる音響屋は多いけど、そのほとんどが若者に煙たがられているのは内緒だ。
小難しい人にこの話をすると「インピーダンスを合わせる」とかなんとか言ってくると思うけど、とにかくギターとかベースの音をミキサーに入れるための箱だ。
インピーダンスってのは抵抗値のことでこの値がマッチングしていないと音声信号のやり取りができない。
エレキギターとかエレキベースに直接ヘッドフォンを挿しても音は聞こえないでしょ?それそれ。
ちゃんとしたDIには3ピンの出力(PA側への出力)の他に、ちゃんとアンプ側への出力が付いている。
だって自分の足元のアンプも鳴らしたいじゃん?アンプが鳴ってなきゃロックじゃないじゃん?あれ?最近はそんなこともないの?しょんぼり。
カントリーマン TYPE85を実際に使ってみた・音質について
ってことでなんとなく音質を確かめてみたくなったので実際に使ってみました。
って言ってもね。手元に楽器がない…どーする?58繋いじゃう?現場での回線チェックの時によくやる手法です。音質がわかるかは正直ビミョーです。
この方法でダイレクトボックスにつなぐ時は、間違ってファンタム電源を送らないように注意しなくてはならない。
ならないのだが58なら間違って送っちゃっても大丈夫。壊れない。ステージ側の人間がちょっと痺れるだけだ。アブナイ。やめなさい。
スピーカーはNEXOのPS8。アンプはNXAMP。58のHAは30くらい。ミキサーはおなじみのRIVAGE。
実際にチェックしてみたTYPE85の音源がこちら
TYPE85ってどんな楽器に使われるDIなの?
なんにでも使われるけど…やっぱりベースとギターが多いかな
エアー録りだけと比べるとエッジの立ち具合が段違い
2段積みにしてキーボードのステレオDIとしても使ったりするね
もっと楽器ごとに使い分けるものなのかと思ってた
もちろんこだわれば楽器にあった特性のDIがそれぞれにあるよ
TYPE85はフラットな特性なので色々な状況で使われるんだ
ほうほう…便利なダイレクトボックスなんだね
感覚的に言えば高域と低域にうっすらフィルターがかってる印象
実音よりまろやかに聞こえるって感じでPAが扱いやすい音だよ
まとめると【カントリーマン TYPE85】はこんな感じの機材
- トラックが踏んでも壊れない鉄の箱
- でも電気的な接触NGには注意が必要だよ(フォン側が甘い気がする)
- とてもフラットな特性を持っているので楽器を選ばない
- ベースには芯が、アコギには透明感が追加できる
- 3番ホットの個体もあるので位相に注意
バンドマンにもおすすめ【カントリーマン TYPE85】・考察まとめ
そんなわけで今日は【カントリーマン TYPE85】を紹介してきました。
音源なんですけどね…ダイレクトボックスまで58のワンツーでチェックしていると「意味あるんかな…?」って自分でも思うんですが、まぁ、ね?質感だけでも…伝わるかなぁ?
でもアレだよね。S/Nの感じはきっと伝わるよね。音質までは無理としても。そんなわけでこれからもできる限りチェックできた音源は貼っていこうと思います。無駄とか言わないで。
今回のTYPE85も本当に現場に無いことがないってくらいお世話になっている機材です。いろいろ調べてみて世界中で使われている理由が再確認できました。
いろいろ文句言ってすいません。人との相性もあるからね、音響機材は。いいDIですよ。TYPE85。
今日も最後まで付き合ってもらってありがとうございました。また次週〜
次回は【SHURE SM-57】をレビューしてみるよ
定番のダイナミックマイク!
またみてね!
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