ゼンハイザーの代表選手・SENNHEISER e845について考察
こんにちは。アリーナの現場だって経験あるよ。PAのイチローです。
今日の機材はボーカル用のダイナミックマイク【SENNHEISER e845】です。
「アリィィィーナァァァァ!!」って言ってるタレントのマイクは基本的にワイヤレスのことがほとんどなので、今回の話とは全く関係がありません。なんやねんこの導入文。
e845はねぇ。良いマイクだよぉ。普段58しか使わない歌い手ほど、使ってみるとこのマイクに浮気したくなると思う。
なんつーか。こう。声にツヤが出るっていうか。って言っても特別に高域が持ち上がるわけでもなく、すごく上品。
抜けが最高に良くって、かといってエッジがバキバキに立つわけじゃないからいやらしさがない。奥ゆかしいやつなんですよよ。この子。
見た目もいいよね。なんかやってくれそうな面構えしてる。でもね、持ってみるとわかるんだけど。58に比べると結構重い。ぽっちゃり系マイク。e845。
【SENNHEISER e845】のイチローの印象はこんな感じだよ
- 58よりツヤがあって高級感のある音がする
- マイクの見た目がなんかプロっぽい
- とはいえ58よりもポップノイズに弱い
- 指向性がかなり鋭いので使うならギタボのスタンド立てにしたい
- 正規品のホルダーよりSHUREホルダーの方がアジャストする
なんか良い感じのマイクなんだね
みんな58じゃなくて845使えばいいのに…
それがそうもいかないのよ845…
音は良いんだけど使い手を選ぶ気がするマイクだね
そうなの?
声質とかそーいうことなの?
っていうよりも単純に技量の問題の方が大きいよね
吹かれに弱いし…指向性が鋭いから芯が外れると音取れないし
だからスタンドに立てたいマイクなのか
見た目、というかヘッドがかっこいいんですよね。845って。色合いもシックでプロっぽくてたまらない。
それこそ「アリィィィーナァァァァ!!」のシーンで使われているワイヤレスマイクのヘッドがゼンハイザーのことって多いから、そのイメージが付いてるのかなって思う。
音は素晴らしいんです。好みにもよるけど俺は大好き。ハンドノイズも少ない。
でもね、やっぱり58の勢いで使われちゃうとこれがどうにも難しい。息継ぎでボフボフいうし。ちょっと芯外れるとめちゃくちゃ音声レベル下がるし。
それだけステージ上では楽器の音被りが少ない優秀なマイクだって言えるのだけれど、使いこなせるかは別問題。演者的にも。PA的にも。
とりあえずイチロー的にはそんな印象のマイクなのですが、どのような人におすすめできる機材だろうか?今日も真面目に考えてみる。【SENNHEISER e845】のお話です。
SENNHEISER e845のポーラパターン&スペックについて
指向性がスーパーカーディオイドなので、ステージ上でのカブリを抑えられます。また、高音域が伸びているのでダイナミック型とは思えない程のパフォーマンスを提供します。
ゼンハイザージャパンより
スペック的に見ると【e845】はこんな感じのマイク
- スーパーカーディオイドっていうだけあって58よりも音被りが少なく狙いがシビア
- 高域に特徴があってダイナミックとコンデンサーの間を狙ってる感じ
- グリルとポップガードの構造上、58より吹かれには弱い
ダイナミックっぽくないマイクにしたいなら
コンデンサーマイクを作ればいいのに…
コンデンサーマイクになるともっと繊細な構造になるからね
電源が必要だったり…湿気に弱かったり…
管理がめんどうなのね
そうなの、値段も上がっちゃうし
だからe845みたいなマイクの需要はそこにある気がするね
コンデンサーには手が出ないけど
高域に特性のあるマイクが欲しい人向け…ってことね
e845のポーラパターンは、超単一指向性。要するに単一指向性より指向角度の鋭いマイクってこと。スーパーカーディオイドってこと。
ステージ上の音被りが少なくなるので、使い方次第ではPA的にはとても心強いマイクだ。
ただ、先に述べた理由で使い手を選ぶマイクではあるので、アマチュアバンドなんかだとスタンド立てで使ってもらえるのがありがたい。
そんでね。その時のマイクホルダーなんだけど…俺はSHUREのマイクホルダーを使った方がいいと思うの。正規品、ちょっとゆるい気がするんです。気のせい?
高域に特性を持たせたマイクだけど、もちろんダイナミックマイクなので、使用に際してそこまで注意することもなく、野外とかのハードな現場にも迷いなく出すことのできる優秀な機材って感じ。
SENNHEISER e845を実際に使ってみた・音質について
e845もね、けっこう身近な機材です。なにせ安価です。ダイナミックマイク万歳!
ってことで今日もなんとなくワンツーしてみました。質感だけでもね、覚えて帰ってもろて。
作業環境はいつもの通り。スピーカーはNEXO-P12を使用。アンプはNXAMP-MK2。HAとフィルターは写真の通り。ミキサーはRIVAGE。
実際にワンツーしてみたe845の音源がこちら
たしかに…なんかツヤがある感じする!
声にフォーカスして作られてる感じがするよね
緩やかに高い方が上がっていくんだね
5KHzあたりにピークを作ってる感じか…
その辺が上がってるとなにか良いことあるの?
声の抜け感を出すために2〜4KHzを持ち上げることは多いね
ハウリングしやすいポイントでもあるんだけど…
その処理をマイクが勝手にやってくれるのね
5KHzのピークから減衰してるのもポイントだね
ギラついてる感じがなくて、音がまとまるマイクだよ
ボーカル以外に何か他の用途はあるの?
高域が素敵だから、女性ボーカルにぜひ!って感じだけど…
DTM用途ならアコギとか、クラップとかに使っても良さそう
このマイクを使いこなせるボーカルになってみたいなぁ
まとめると【e845】の音質はこんな感じ
- ダイナミックとコンデンサーマイクの中間の音質
- 高域に伸びるけど、しっとりと落ち着いた音色でギラついてない
- 指向性が鋭くてポップノイズは多めなので、ブレスの方式や使い方に工夫は必要
- ハンドノイズが少ないので女性ボーカルにハンドて使って欲しい(ただの希望)
ボーカル用ダイナミックマイク【SENNHEISER e845】・考察まとめ
こんな感じで今日はボーカル用のダイナミックま一句【SENNHEISER e845】について書いてみました。
回を重ねるごとに、なんだろ。すごく感覚的になってきている気がする。特化ブログなのに。
でもそもそも【音の感覚】なんてすごく主観的なことだし…誰かが「いいぞ!」って言ってるものをあんまり鵜呑みにしない方がいいと思うんだよね。音楽作ってる人は特に。
記事読んで気になったらさ、実際に触ってみるのがいい。可能ならば。スペック表とか…業界の先輩とかが言ってることと、真逆の印象を持ってる機材、たくさんあるもん。
だからボーカルだからって絶対に58から始めなきゃいけない、なんてことはないし。質感やビジュアル含めて、好きになれる機材と一緒にやれるのが一番良いと思う。値段もさほど変わらないし、オススメのマイクです。
PAは仕事だからさ、58の音質から逃れることができないけど!笑
って感じで終わりますね。今日も最後まで付き合ってもらってありがとうございました。
次回は【AKG C414 XLS】をレビューしてみるよ
多機能コンデンサーマイク!
また見てね!
この記事の感想は個人による独断と偏見によるものです